*ガテムス弁当*

ガテン夫と愛娘のお弁当の記録

風の吹くまま 220416 野の花の記憶

今日は娘4歳が三輪車をこぎたいと言うので外に出て、あてどなく歩きはじめた。三輪車が走りやすそうな道、キコキコキコ、キュッキュッなんてほんとにそんな音がするあとをついていくと、ほどなく道ばたに咲く花々に心を奪われた。

そう、もう間もなくの、皐月(さつき)、5月は、一年の中でもっとも多くの花が咲く季節なのだそう。街中にも花々が溢れ(あふれ)かえる。今日だってもう、花々が息まきつつあるんだ。

三輪車の行き着いた先は、広い土手。一級河川がふたつ重なりあうところ、広い川原。そんな大きな自然のなかにいて、さあ、心は静かに穏やかに平和に整うのかと思いきや、そんな単純ではなかった。熱く熱く私は迎え入れられた、小さな小さな花々たちに。いろんなことがあった。

私を待っていたかのように今日出会ったのはこのお花。中央の白い小さなお花の集まったようなのがとても可憐で可愛くて、後から調べたら、ノヂシャ(野萵苣)というのだそう(※)

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なんと、これがノヂシャなのねと、髪の長いお姫様『ラプンツェル』はドイツ語で『ノヂシャ』をあらわすと、読んだことがあって、どんなお花なのか知りたかったんだ。これがノヂシャ、このお花がラプンツェルだったのねと、名前と実態があわさって私の心に深く刻まれる、その存在が。名前を知ることができて嬉しかった。

それならでは、このポツポツ小さな黄色いお花は何かと言えば、コメツブツメクサ(米粒詰草)というのだそう、、なんてこと、お米みたいだと思っていたのだけれど、ほんとにそんな名前をつけられていたなんてね、、可愛い。

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これは、アカツメクサ(赤詰草)。知っている。シロツメクサ(白詰草)は見当たらなかった。
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少し土手に座ってみようかと。娘は初めて座るね、どうかな。
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寒くなってきたから上着を着るかとたずねれば、ママのに一緒に入るというので、肩掛けを一緒に羽織って、、あったかいな娘は、幸せだなと思ったその時に、しあわせ と娘が声にした。
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昔、目の見えない子どもに、寒い朝になると母親が毎日のように『今日も寒いね、富士山が綺麗だね』と話しかけていたという話を思い出した。ある寒い日の朝、その盲目の子はこう言った。『お母さん、今日も寒いね、富士山が綺麗だね』と。富士山が綺麗なんだと、どんな富士かは知らないけれど、親子の間に通じる富士山が確かにあったのだろうなと、そんな風に感じたことを思い出した。

土手の上から斜面を見下ろしたところ。
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西の空
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暮れなずむ世界に、小花が仄かに(ほのかに)白くみえて、美しいな。
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さよなら。また今度、またいつか。

 

※ラプンツェル、和名ノヂシャ(野萵苣)いう植物は、食用にもなって、イメージでいちばん近いのは、ロメインレタスかもしれない。サラダで美味しくいただけるそう。外来種でもともと日本にはなくヨーロッパからやってきた。色々まつわるお話があるけれど、物語のルーツをたどるなら、原作はグリム童話にあたるといい。植物の名前は各国でいろいろあって私たちに身近な野草のよう。